米国の戦後は、FRBが国債を全量買取して金融危機を未然に防止し、金利連動国債などを活用してインフレも起こさなかった。FRBから銀行に供給された資金は民間の成長に投資され、戦後の高度成長が始まり、経済と財政が再建された。
一方、日本の戦後はインフレを起こして戦時国債を紙くずにしたところから始まった。虎の子を紙くずにされた国民の怒りが赤字国債の発行を「原則」禁止する法律を生み、ために、赤字国債の発行には、両院の議決が毎年要るのである。
それでも、終戦直後の日本は若かった。復員とともにベビーブームが始まり、人口が急増し、日米同盟と太平洋ベルト地帯での輸出国家モデルが戦後の経済成長を生んだ。
しかし、これから老いが進み人口が減る今の日本にそんな元気はない。
ここで日銀の無策や政治の混乱によって金融・財政システムが崩壊すれば、経済大国日本は終焉を迎えるだろう。そうなれば、これから人口が急増し資源・エネルギー・食料不足を迎える世界の中での日本人の生活はとても難しいものになってしまう。