くにうみの先見

2011年3月末が危機になる

2011年3月末には、日本国債は重大な局面を迎える。赤字国債の発行ができなくなる危険性が高いからだ。
赤字国債の発行には「特例国債法案」という予算関連法案の可決が毎年必要だが、予算そのものではないため、両院の議決が必要だ。もし野党が多数を占める参議院で否決された場合、赤字国債は発行できない。
実は、こうした事態が日本でも過去に1度だけ起きたことがある。細川護煕内閣の時だ。当時は赤字国債が極めて少額だったため、補正予算で対応できた。
しかし、今回は、赤字国債が最大の財源であり、否決されると本当に予算が組めなくなる。
日本の予算が成立しないことが世界中に知られた時に、世界の債券市場の賢い人たちが何の反応も示さないだろうか?
今まで安全確実と言われてきた日本国債の発行不能状態は、日本の財政の絶望的な悪化と国債のバブル状態との異常な落差に世界の耳目を集めるだろう。
しかも、その時に、もし国会が解散し総選挙に入って、国家の管理能力に空白が生じれば何が起きるだろうか。
少なくとも、市場参加者には格好の「売り」の舞台を提供するだろう。その時、国民の財産と生命を守れるのか。久しく問われなかった難問に日本は直面するはずである。

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